「テラスハウス」木村さんを中傷の男性、侮辱罪で科料9千円

著者 前田 亜紀

日本のテレビ番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラー木村花さん(当時22)が昨年自殺した問題で、東京区検は30日、木村さんをオンラインで中傷したとして、男性を侮辱罪で略式起訴したと発表した。東京簡裁は同日、男性に科料9000円の略式命令を出し、即日納付された。

木村さんは生前、オンラインで中傷されていることを示唆する投稿を、ソーシャルメディアにいくつも残していた。

報道によると、男性は木村さんのツイッターのアカウントに、「性格悪い」、「いつ死ぬの?」などと書き込んだ。

「テラスハウス」は、フジテレビが共同制作し、ネットフリックスが配信した。木村さんが昨年5月に亡くなった後に打ち切られるまで、海外でも高い人気を得ていた。

台本のないリアリティー番組で、日本の1つの家で共同生活を送る若者6人の姿をとらえていた。

登場人物の実際のやりとりを伝え、演出が比較的少なかったことから、多くの視聴者を引きつけた。

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連日の中傷

木村さんは2019年9月にこの番組に参加。最新シーズンの「TOKYO 2019-2020」に出演した6人の1人となった。

木村さんは、ファンや批判的な人々から連日のように、誹謗中傷のツイートを何百件も送りつけられていたとされる。

報道によると、木村さんへの中傷ツイートは、ルームメートの1人と口論なったエピソードが放送された後、激しさを増したという。この回は日本でのみ放送された。

木村さんは亡くなる直前、自傷行為の写真と共に「もう人間なんかやりたくない」、「愛されたかった人生でした」、「みんなありがとう、大好きだよ」、「ばいばい」とツイートしていたとされる。

「甘すぎる」

報道によると、警察は男性がツイッターに書き込んだ中傷コメントについて、どんどん激しい内容になっていったと話した。

男性が略式起訴された侮辱罪は、科料は1万円未満と法律で定められている。何らかの事実を示しながら名誉を傷つける名誉毀損罪では、法定刑の罰金は50万円以下となっている。

今回の科料の決定を受け、ソーシャルメディアには処罰の軽さを指摘する声があがった。

ツイッターには、「略式(起訴)は甘すぎる」とする投稿や、法律がおかしいと訴える投稿などがみられた。

ジャパンタイムズによると、木村さんの死亡を受け、総務省はオンラインで中傷された人が発信者を特定しやすくする制度の検討を始めた。

誰かに助けを求めたいときは

日本では、厚生労働省所管の自殺総合対策センターが、「いのち支える相談窓口一覧」として、都道府県・政令指定都市別の相談窓口に関する情報を提供している。

NPO法人 自殺対策支援センター ライフリンクも、生きる支援の総合検索サイト「いのちと暮らしの相談ナビ」を開設し、様々な問題を抱える人たちがニーズに合わせて支援策を探し出すサポートを行っている。

一般社団法人 日本いのちの電話連盟は、インターネット相談のほか、ナビダイヤル(0570-783-556、午前10時から午後10時まで)、自殺を考えている人向けの相談電話(0120-783-556、無料、毎月10日の午前8時から翌日午前8時まで)で相談を受け付けている。

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