連続殺人事件の筧被告、最高裁が上告棄却 死刑確定へ

著者 武田 陽介

夫や内縁関係の男性など3人を殺害したとして一、二審で死刑判決を受け、上告していた筧千佐子被告(74)の上告審が29日にあり、最高裁は上告を棄却した。被告の死刑が確定する。

筧被告は3人に対する殺人罪のほか、別の男性に対する強盗殺人未遂にも問われていた。

男性たちに青酸化合物を服用させ、遺産や生命保険の支払いによって多大な金銭を手に入れたとされた。

メディアでは「黒い未亡人(Black Widow)」と呼ばれた。交尾の後にメスがオスを食べる「クロゴケ(黒後家)グモ」に由来する。

筧被告は2017年に京都地裁の一審判決で死刑判決を受けた。弁護団は無罪を主張し控訴。被告について、認知症を患っており裁判の進行を理解できないとも訴えた。

大阪高裁は2019年、控訴を棄却。弁護団が上告していた。

結婚相談所を利用

一審の裁判員裁判は4カ月以上にわたって開かれた。裁判では、筧被告が結婚相談所の会員となり、裕福で子どものいない男性を紹介するよう求めていたとされた。

判決は、被告が2007~2013年に70~80歳の男性3人(内縁関係2人、夫1人)を殺害したとし、有罪とした。

夫だった筧勇夫さん(当時75)は、2013年に被告と結婚した翌月に死亡していた。

ジャパンタイムズなどの報道によると、筧被告は被害男性らの死亡により、10億円近くを得ていたという。大部分は株式市場で失い、借金を負っていたとされる。

被告はまた、別の男性に対する強盗殺人未遂罪でも有罪判決を受けた。この男性はその後、がんにより死亡した。

被告には勇夫さんの他にも夫が3人いた。全員死亡しているが、これらの男性の死をめぐっては訴追されていない。

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