【東京五輪・パラ】 武藤事務総長、中止の可能性を排除せず

著者 柴田 聡

東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は20日、大会中止の可能性を排除していない考えを示した。

この日あった国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席した武藤氏は、終了後に記者会見に臨んだ。

新型コロナウイルスの感染状況によっては、この時期になっての大会中止もありうるかと質問されると、武藤氏は、「感染が今後どうなるかは予断を許さない。拡大したときには、よく相談する」と答えた。

また、「今後の感染状況の推移をみて、必要があれば(IOCや国際パラリンピック委員会、日本政府などと)5者協議を行うことが決まっている」と説明。

「今の段階で感染は拡大するかもしれないし、収まる方向に行くかもしれない。具体的には、そういう状況が出てきた時に考えていく」と述べた。

総会ではIOCのトーマス・バッハ会長が、大会の中止は「選択肢となったことはない」と演説していた。

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東京大会は23日に開幕が予定されている。21日には開幕を前に、最初の競技としてソフトボールと女子サッカーが始まる。

今週に入ってから、南アフリカのサッカー選手2人の新型ウイルスの陽性が、選手村で確認された。その後、チェコのビーチバレーボールの選手1人も陽性と判定された。

これまでに陽性が確認された大会関係者は71人に上っている。

近代五輪の124年の歴史で初めて延期された東京オリンピックは23日から8月8日まで、パラリンピックは8月24日から9月5日までの日程で開かれる。

大会組織委は、感染拡大の懸念が高まる中、無観客での開催を決定している。

だが日本では、大会関係者が何万人も入国することへの不安の声も出ている。

東京都では20日、新規感染者が1387人に上った。東京都には緊急事態宣言が出されており、8月22日まで継続される。

大会組織委の広報担当は20日の武藤氏の会見後、「大会の成功に100%集中している」と述べた。

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