【東京五輪】 イギリス、総合馬術団体で金 49年ぶり

著者 田辺 淳

東京オリンピックの馬術は2日、総合馬術団体が馬事公苑であり、イギリスが49年ぶりの金メダルを獲得した。個人ではトム・マキュイン(30)が銀メダルを勝ち取り、ドイツ選手が女性で初めて優勝した。

世界ナンバー1のオリヴァー・タウネンド(38)、ローラ・コレット(31)、マキュインでつくるチームは、最後の障害馬術で優勝を決めた。今大会のイギリスの金メダルはこれで11個となった。

イギリスのこの種目での金は、1972年ミュンヘン五輪以来。

総減点は86.30で、銀メダルのオーストラリアより13.90少なかった。銅はフランスが手にした。

イギリスチームの3人は全員が五輪初出場。1日のクロスカントリーで見事な乗馬を終えた時点で、17.90差の大きなリードをつけていた。2日は危なげなく首位を守り続けた。

マキュインは減点なしでまとめ、コレットとタウネンドは4つの減点があった。

個人はドイツ選手が女性初の優勝

個人決勝では、ユリア・クライエウスキー(ドイツ)が優勝。前回の東京オリンピック(1964年)で女性の出場が認められてから、初めて女性が金メダルを獲得した。

イギリス選手が総合馬術個人のメダルを獲得したのは、リチャード・ミード(1972年)、レズリー・ロー(2004年)に次いで3人目。

オーストラリアのアンドリュー・ホイ(62)が3位に入った。タウネンドは5位、コレットは9位だった。

ふだんグロスタシャーで練習するマキュインは、団体の障害やクロスカントリーで減点のない走りを披露。個人でも完璧な演技を見せた。

「神経が高ぶっていたが大丈夫だった」、「あの2人(タウネンドとコレット)はどちらも素晴らしい騎手。簡単に楽にやり遂げてくれると確信していた」とマキュインは話した。

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死の間際から復活して金

コレットは8年前に落馬。6日間こん睡状態に陥り、死の淵をさまよった。

肺が破れ、背中と肩、あばらの骨が折れた。片目の視力も大部分が失われた。

その2年後には、根拠のない悪意あるうわさに苦しんだ。障害競走チェルトナム・ゴールドカップで3度優勝した競走馬コートスターが、彼女の庭で馬場馬術の訓練中、不慮の事故で死んだことに関するものだった。

「生きているだけで幸運だと思っている。それなのに、大好きなことができて、オリンピックの金メダルを取れるなんて」と、コレットはBBCスポーツに喜びを語った。

「ここにいられるだけで、夢がかなったより大きい」

「表彰台に立って、すべての嫌だった日が報われた。信じられない経験だった」

コレットは、彼女の馬「ロンドン52」が水面の反射に動揺したことがミスにつながったと述べた。

「彼はそこから調子を取り戻した。残念だが、あの状況ではもっと悪くなったかもしれなかった。とてもよく考えられたコースだった」と振り返った。

シュロップシャーを拠点にしているタウネンドは、「他の2人のおかげで楽だった。ともに素晴らしい騎手だ」と話した。

イギリスの馬術チームは、7月27日の馬場馬術団体グランプリスペシャルで、シャーロット・デュジャディン、カール・へスター、シャーロット・フライの3人組が銅メダル、同28日の馬場馬術個人グランプリフリースタイルでデュジャディンが銅メダルを取っている。マキュインの銀メダルは馬術チームにとって4個目のメダルとなった。

順位

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