石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震で、石川県は5日、同日午後2時までに県内で合計94人の死亡が確認されたと発表した。安否不明者は222人に上るという。NHKなどによると、富山県、新潟県、福井県、岐阜県の4つの県でも負傷者が出ている。
石川県の発表では、5日午後2時までに、県内で計94人の死亡が確認された。内訳は、輪島市が55人、珠洲市が23人、穴水町6人、七尾市5人、能登町2人、志賀町2人、羽咋市1人。負傷者は464人に上る。
県は4日午前から、県内の安否不明者の名簿を公表。5日午後2時までの県内の安否不明者の名簿を更新して公表している。13歳から90代の人の名前が記載されている。
確認できている安否不明者は222人に上る。内訳は、輪島市121人、珠洲市82人、能登町13人、穴水町6人。
県内で確認されている全壊・半壊の住宅は308棟に上るが、震央に近く特に甚大な被害が出ている輪島市や珠洲市、能登町での家屋の被害は「多数」とのみ計上されている。
県内の避難所373カ所に避難している人数は、3万3055人だという。
日本政府は5日午前、4回目の「非常災害対策本部」を首相官邸で開いた。岸田文雄首相は、地震発生後の救助活動は一定の成果をあげているとした上で「諦めず、漏れのない救助活動をしてほしい」と述べた。さらに、仮設住宅と災害公営住宅の建設準備を関係閣僚に指示したほか、多数の孤立集落や安否不明者に言及し、食料や生活関連物資の調達と輸送を加速させ、きめ細かい支援を続けるよう求めた。
石川県によると、県内では輪島市、珠洲市、穴水町、能都町の奥能登地方を中心に、2万7200戸で停電が続いている。
能登地域をはじめ14市町で断水が発生中。輪島市、珠洲市、穴水町、能登町、七尾市、志賀町ではほぼ全域で断水が続いている。
県によると、断水しているすべての市町で、給水車や給水袋の配布による給水活動を行っているという。
能登空港は、滑走路に複数のひび割れがあるため、自衛隊機の離発着は数日後に可能となるが、民間機が運航可能となるのは早くとも1月25日以降の見込みという。高速道路は能越自動車道の一部に加え、県内の道路39路線91カ所が通行止めになっている。
NHKなどによると、石川県のほか、富山県では37人、新潟県では34人、福井県では少なくとも6人、岐阜県で1人が負傷したという。