能登半島地震、石川県の死者168人に 安否不明者も大幅増

著者 安藤 美和

石川県は8日、能登半島地震の県内の死者が168人になったと発表した。

石川県の8日午後2時時点の集計では、安否不明者は323人。前日から大きく増えた。地震発生から1週間たった今も捜索活動が続いている。

ただ、被災地では悪天候が救助活動の妨げとなっている。大雨と雪による土砂崩れや建物倒壊への警戒が呼びかけられている。

死者の大半は、被害の大きかった輪島市(70人)と珠洲市(同)で確認されている。

死者は前日午後2時集計の128人から40人増えた。

安否不明者も前日同195人から大幅に増えた。輪島市が前日同86人から281人に急増。そのほか、8日午後2時時点で珠洲市(29人)、金沢市(5人)、津幡町(3人)などとなっている。

孤立状態の被災者も多数

マグニチュード7.6、最大震度7の地震は元日の夕方に発生。能登半島で多くの建物を倒壊させ、大規模な火災を引き起こした。

道路も甚大な被害を受け、石川県によると8日時点で、県内で3300人以上が孤立・要支援状態にある。緊急に開設された避難所で生活している人は約2万8000人に上っている。

安全上の理由などから自宅にとどまることができない被災者に対しては、自衛隊などが食料、水、毛布などの物資を届けている。

防衛省は7日、救援活動の支援のため自衛隊員約6000人を派遣したと発表した。

防衛省はまた、生存者発見に重要とされる「災害発生から72時間」が過ぎてはいるものの、救助を必要としている人がまだいると信じているとし、救出活動を続けるとした。

奇跡的な救出もみられる。珠洲市では地震発生からおよそ124時間たった6日夜、倒壊した住宅から90代の女性が救け出された。

被害が最も大きかった地域では、さらなる地震が続く中、警戒を続けるよう人々への呼びかけが行われている。

気象庁によると、1日から8日午後4時までに観測された震度1以上の地震は1221回に上っている。

日本は世界で最も地震活動が活発な国の一つ。能登地方では2020年末から活動が増えており、2023年末までの3年間で震度1以上の地震が506回観測されていた。

Related Posts

コメントを残す