パリ・オリンピック(五輪)は競技10日目の5日、体操男子の種目別があり、岡慎之助が鉄棒で金メダルを獲得した。岡はこれで、団体と個人総合を合わせ3冠を達成。日本男子としては52年ぶりの偉業となった。岡はさらに、平行棒でも銅メダルを獲得し、今大会のメダルを計4個とした。
体操男子の種目別は、7月27日の予選を通過した8人で争った。
岡はまず平行棒に出場。最後の8人目として演技した。
3位で通過した予選と同じく、手足の先までまっすぐ伸ばした倒立姿勢と、しなやかな動きを披露。着地もしっかりと決め、15.300で銅メダルを手に入れた。
平行棒での日本選手のメダル獲得は、2004年アテネ五輪で冨田洋之さんが銀メダルを獲得して以来20年ぶりとなった。
金メダルは、ただ一人16点を超えるスコア(16.200)を出した中国の鄒敬園が獲得。銀メダルは15.500をマークしたウクライナのイリア・コフトゥンが手にした。
予選で8位だった谷川航は、中盤の倒立で乱れ、14.133で6位だった。
岡はその後、予選5位通過した鉄棒にも出場。2人目として登場すると、難度の高い手放し技を着実に成功させた。フィニッシュもぴたりと決めて14.533を出し、この時点でトップに立った。
3人目のコロンビアのアンヘル・バラハスは、岡と同得点を出す。たが、出来栄えを示すE得点で岡に及ばず、暫定2位となった。
中国のエース、張博恒は5人目で登場。次々と手放しの大技を決めたが、着地で前方につんのめって手をつき、13.966にとどまった。
その後も岡を上回る点数を出す選手はなく、岡の金メダルが決まった。
銀メダルはバラハス、銅メダルは張とチャイニーズタイペイの唐嘉鴻が同点でそれぞれ手にした。
予選3位の杉野正尭は、落下などのミスが響き、11.633で7位だった。
体操男子で52年ぶりの快挙
岡はこれで、今大会の金メダルが団体総合、個人総合に続いて3個となった。日本男子の3冠達成は、1972年ミュンヘン五輪の加藤澤男さん以来、52年ぶり。
また、体操で1大会4個のメダル獲得は、1984年ロサンゼルス五輪の具志堅幸司さん以来40年ぶりとなった。
岡は表彰式後のインタビューで、鉄棒の結果について聞かれると、「最後何が起こるかわからないというところで、本当にミスなくやり切れたということが、この金メダルにつながったのかなと思っています」と述べた。
今大会の感想を求められると、「最高しか言っていないんですけど、団体の金メダルが自分の中では一番うれしいなと思います」と話した。
バイルスは金メダル追加できず
この日は体操女子も種目別があり、今大会、団体と個人総合で金メダルを手にしたアメリカのシモーン・バイルスが、さらなる金メダル獲得を目指した。
しかし、平均台ではバランスを崩して落下。5位に終わり、今大会の出場種目で初めてメダルを逃した。
このあと、予選トップで通過したゆかに臨んだ。高難度の技を見せたが、着地で両足がはみ出るミスが2回あり、高得点を出していたブラジルのレベッカ・アンドラーデにわずかに及ばず、銀メダルとなった。
結果的に金メダルを積み増すことはできなかったものの、バイルスはこの銀メダルで、五輪で獲得したメダルを通算11個とした。
女子のゆかには、日本女子で唯一、種目別決勝に進出した岸里奈も出場。予選の8位から順位を上げて7位に入った。
バレー男子はマッチポイント逃し準々決勝敗退
バレーボール男子は準々決勝があり、世界ランキング6位の日本は同2位のイタリアを相手にマッチポイントを握りながらも、セットカウント2-3で敗れた。
日本は第1、第2セットを連取。第3セットも24-21としてマッチポイントを迎えた。しかし、これをものにすることができず、25-27でイタリアにこのセットを奪われた。
第4セットもイタリアに取られ、勝負は最終第5セットに。ここでも日本は15-14として先にマッチポイントを握ったが、あと1点が取れないままイタリアに逆転され、15-17で敗退。ベスト4入りは果たせなかった。