東京モーターショー、初の開催中止 「安全、安心な環境は困難」

著者 上野 翔平

日本自動車工業会は22日、今秋に開催を予定していた「東京モーターショー2021」の開催中止を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、来場者の安全確保が難しいと判断したという。67年の歴史の中で開催が中止されるのは初めて。

日本最大の自動車メーカー、トヨタの社長で日本自動車工業会会長の豊田章男氏は、「多くのお客様に安全、安心な環境でモビリティーの魅力を体験していただくメインプログラムの提供が難しいと判断した」と、開催中止の理由を説明した。

新型ウイルスのパンデミックにより、主要産業の展示会がオンライン開催されたケースもあるが、モーターショーの主催者側は、バーチャルイベントを開催する予定はないとしている。

今回の中止は、菅義偉首相が東京や大阪などに緊急事態宣言を発令する方針なのを受けたもの。

1954年始まった東京モーターショーは、通常2年に1度のペースで開催されており、今年は10月に予定されていた。

日本自動車工業会によると、2019年に開催された前回のイベントには約130万人が来場した。

日本では現在、より感染力の強い新型ウイルスの変異株による感染が急増している。

政府は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に緊急事態宣言を発令する方針で、23日午後の政府対策本部で正式決定する。期間は4月25日から5月11日まで。

こうした中、3カ月後に迫る東京五輪については現在も開催の方向で準備が進められている。

中国では今週、パンデミック発生後初の大規模な国際自動車展示会が開催された。

同国最大のモーターショー「オート上海2021」には、新型ウイルス検査を受けることを条件に一般市民の参加が認められた。

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