日本政府、東京周辺で節電求める 猛暑で電力ひっ迫注意報

著者 大塚 智宏

日本政府は27日、厳しい暑さの影響で東京電力の管内では電力需給が厳しくなる見通しだとして、初めてとなる「電力需給逼迫(ひっぱく)注意報」を発令した。

政府は午後3時から午後6時の時間帯、熱中症を避けるために冷房は活用しながらも、使用していない照明を消したり、使っていない機器の電源を切ったりするなど、可能な限りの節電を求めている。

経済産業省は、「夕方16時~17時の時間帯は、気温上昇により特に厳しい電力需給となることが想定されています」としている。

東京電力の管内で電力供給の余力、いわゆる「予備率」が、夕方の一部時間帯で5%を下回る見込みだという。

「電力会社においては、火力発電の増出力、連系線を活用した電力の融通など追加の供給力対策を実施することとしていますが、電力需給は予断を許さない状況であり、さらなる気温の上昇とそれに伴う需要の増加、突発的な電源トラブル等が生じれば、予備率が最低限必要な3%を下回り、電力需給ひっ迫警報発令の可能性があります」と、経産省は説明した。

日本ではかねて、気温上昇に伴う電力不足が懸念されていた。

週末にかけて東京都心の気温は35度を記録。25日には群馬県伊勢崎市で40.2度を観測した。気象庁によると、国内で6月の気温が40度を超えるのは、観測史上初めて。

NHKによると、都内では26日午後3時までに熱中症の疑いで、14歳から97歳までの46人が病院に搬送された。埼玉県川越市では25日、94歳の男性が自宅で倒れているのが見つかり、熱中症の疑いで病院に運ばれたが、死亡が確認されたという。

電力の需給安定が課題

猛暑に加え日本では、東日本大震災による原発事故以降、多くの原発の稼働停止が続く中、電力の需給安定が課題となっている。

加えて、複数の老朽化した火力発電所も稼働休止や廃止が相次いでいる。

日本政府は今月7日にも、電力需給は「極めて厳しい状況」にあるとの見解を示し、家庭や企業に7月から9月にかけての節電を要請した。全国規模の節電要請は7年ぶりだった。

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