北朝鮮、長距離弾道ミサイルを発射 日韓首脳会談の前に

著者 工藤 浩介

日本と韓国の当局は16日午前7時すぎ、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したと発表した。日韓首脳が関係改善に向け、東京で会談に臨む直前のタイミングでの発射となった。

当局によると、ミサイルは約1000キロメートル飛び、日本の西方の排他的経済水域(EEZ)外に落下した。

韓国軍合同参謀本部(JCS)によると、ミサイルは午前7時10分に北朝鮮の東海岸にある平壌(ピョンヤン)近郊から発射された。

日本の防衛省はミサイルをICBM級と確認。最高高度は6000キロメートルを超え、70分近く飛んだと発表した。

北朝鮮のミサイル発射は、この1週間で4回目。これまではすべて短距離ミサイルだった。

韓国とアメリカは現在、朝鮮半島周辺で、過去5年間で最大規模の合同軍事演習を実施している。北朝鮮はこうした演習を挑発だと繰り返し述べている。

韓国は米軍との演習を継続へ

北朝鮮のミサイル発射を受け、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は軍に対し、米軍との合同演習を予定通り続けるよう指示した。

また、北朝鮮について、「無謀な挑発」の代償を払うことになると述べた。

北朝鮮はICBMを、最後の発射から1カ月もたたずに再び発射した。前回の発射では、国連安全保障理事会が緊急会合を開き、主要7カ国(G7)諸国が非難した。

ICBMは飛距離が長く、アメリカ本土も射程に収めることから特に懸念されている。

北朝鮮がミサイル発射を重ねていることは、東京で16日にある日韓首脳会談で最大の議題となるとみられる。

尹大統領と岸田文雄首相の会談は、日韓の関係改善に向けた重要なステップとして歓迎されている。会談によって、北朝鮮の脅威に直面している両国が、安全保障面での関係を緊密化させ、軍事協力を強化することを、多くの人が期待している。

両国は16日、北朝鮮のミサイル発射を受け、国家安全保障会議を招集すると発表した。

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