東京オリンピックは28日、競泳の女子200メートル個人メドレーの決勝が東京アクアティクスセンターであり、大橋悠依(25)が2個目の金メダルを獲得した。男子200メートルバタフライの本多灯(19)も銀メダルを獲得。男子4×200メートルフリーリレーではイギリスが金メダルを勝ち取った。
大橋は女子400メートル個人メドレーに続く金メダルとなった。日本の競泳女子で2冠達成は初めて。
第2レーンの大橋は、最初のバタフライを5位として得意の背泳ぎに入った。ここで一気に順位を上げ、余依婷(中国)に0.07秒差の2位で100メートルを折り返し、平泳ぎに入った。
大橋は力強く水を捉え続け、最後のターンはアレックス・ウォルシュ(アメリカ)に0.07秒差の2位。自由形の勝負となり、最後は息継ぎをせずに泳ぎ切った大橋がウォルシュより0.13秒早くフィニッシュし、優勝を決めた。
3位はケイト・ダグラス(アメリカ)が入った。イギリスのアビー・ウッドは4位、アリシア・ウィルソンは8位だった。
大橋はレース直後のテレビインタビューで、「すごい接戦になると思っていて、金メダルはどうかなと思っていた。最後、体が止まっていたが、何とかふんばれた。女子二冠は初めてなので、すごくうれしい」と喜びを表現。
ラストの息継ぎなしの力泳については、「最後、勝っても負けても何も後悔はないと言えるように泳ごうと思っていた。それがよかったかなと思う」と話した。
そして、「まだ夢みたいで全然実感がないけど、大舞台でいい自分の泳ぎができたのは自信になる。いろんな人に迷惑かけてきたのを少しは返せたかなと思う」と述べた。
本多はラスト50メートルで猛追
男子200メートルバタフライ決勝では、予選8位で通過した本多が最後に伸びを見せ、日本の競泳男子で最初のメダルを手にした。
第8レーンの本多は、ターンではずっと4位。最後の50メートルで先を行く選手たちを猛追し、ハンガリーのクリシュトフ・ミラクに0.66秒遅れの2位でフィニッシュした。タイムは1分53秒73で自己ベストを更新した。
銅メダルはイタリアのフェデリコ・ブルディソが勝ち取った。
本多はレース後のテレビインタビューで、「思いどおりのレースができ、銀メダルも取れて、すごくうれしい。前半は落ち着いて行けた。後半ふんばるだけだった。本当にいいレースができたと思う」と思いを述べた。
レース前の入場から笑顔だったが緊張はなかったのかと問われると、「緊張していたけど、楽しむことが第一だったので、誰よりも楽しむことを意識していた」と答えた。
英男子リレー、世界記録に迫る金
男子4×200メートルフリーリレー決勝では、イギリスが金メダルを獲得した。
200メートル自由形の王者のトム・ディーン、銀メダリストのダンカン・スコット、ジェイムズ・ガイ、マシュー・リチャーズの4人。世界記録に0.03秒差という驚異的なスピードで泳ぎ切った。
タイムは6分58秒58。2位のロシア・オリンピック委員会に3秒23の差をつける圧勝だった。銅メダルはオーストラリアが手にした。
イギリスは予選トップで通過し、メダルが有力視されていた。
ディーンは1908年以降で、1つの五輪で2個の金メダルを獲得した初めての男子競泳選手となった。
4年前のリオデジャネイロ五輪で銀メダルだったガイは、ついに金メダルを取って涙を流した。「25年間やってきて、ついに取った。とても感慨深い。夢が実現した」とBBCに話した。
レースはアメリカが先行。イギリスは第2泳者のガイで首位に出て、続くリチャーズがアメリカとの差を広げた。
最終泳者のスコットは余裕をもってスタートすると、力強い泳ぎを続け、世界記録にわずか及ばない好タイムでフィニッシュした。
スコットは、「この仲間たちと(勝てて)本当に特別だ。ただ、世界記録を破れなくて少し悔しい」と話した。
この日は女子200メートル自由形の決勝もあり、アリアーン・ティトムス(オーストラリア)が金メダルを獲得。女子1500メートル自由形決勝では、アメリカのキャスリーン・レデッキー、エリカ・サリヴァンがそれぞれ金と銀を取った。
順位