【東京五輪】 卓球女子単、伊藤が日本初メダル バイルス不在の体操女子個人総合は米5連覇

著者 高木 伸吾

東京オリンピックは29日、卓球の女子シングルスがあり、伊藤美誠(20)が銅メダルを獲得した。この種目で日本人選手がメダルを取るのは初めて。金銀は中国勢が独占した。一方、体操の女子個人総合はアメリカ勢が5連覇を果たした。

伊藤はこの日まず、昼に東京体育館で、孫穎莎(20、中国)との準決勝に臨んだ。第2ゲーム、伊藤は9-3とリードしたが、孫に逆転で奪われた。他のゲームで、伊藤は6点以上取ることができず、0-4で孫に敗れた。

夜にあった3位決定戦は、前日の準々決勝で石川佳純を破ったモンユ・ユ(31、シンガポール)が相手となった。世界ランキングでは伊藤2位、ユ47位と開きがあるが、リードしたのはユだった。

第1ゲーム、伊藤は攻撃的なボールを繰り出すが、ユは反応よく返しポイントを奪う。競り合いとなり、伊藤は6-7からスマッシュを決めに行くものの、ネット。その後も失点を重ね、このゲームを落とした。

だが、地力に勝る伊藤は、第2、第3ゲームを連取して逆転。第4ゲーム、ユは伊藤の強打をブロックするなどして7-8まで競ったが、伊藤はサービスを決めると、レシーブから速い攻めでポイントを連取。このゲームを奪った。

あと1ゲームで伊藤がメダルというところまで迫った第5ゲーム。ユは2-1と先行したが、伊藤はサービスでポイントを奪取。そこから、ユの強打に対してカウンターを決めるなどし、5ポイントを連取した。

10-4にしてマッチポイントを握った伊藤は、続く2ポイントを強打するが決まらない。しかし、最後は伊藤のサービスをユがネットにかけ、伊藤の銅メダルが決まった。

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「悔し涙です」

伊藤は試合直後のテレビインタビューで、うれしさより悔しさをにじませた。

「勝てたことはうれしいが、正直悔しい気持ちのほうが大きいかなと思う。サーブレシーブは良くなったが、全体が良くなった状態で試合に臨めなかったのがちょっと悔しい」

「(準決勝で)負けた後も(チームメートが)たくさん励まし、明るく接してくれて、気持ちの切り替えは早くはできた。けれども正直、(3位決定戦で)勝っても、準決勝の悔しい気持ちと自分がうまくいかなかった気持ちがある」

インタビュアーから、「その涙は悔し涙か」と問われると、「はい、悔し涙です」と答えた。

決勝は世界ランキング1位の陳夢(27)がと同3位の孫穎莎の中国選手同士の対決。陳が孫を4-2で下し、金メダルを獲得した。

アメリカのリーが新王者に

有明体操競技場ではこの日、体操の女子個人総合決勝があり、スニーサ・リー(18、アメリカ)が総合得点57.433で金メダルを獲得した。この種目はアメリカ勢の5連覇となった。

銀メダルは、総合得点57.298のレベカ・アンドラデ(22、ブラジル)が、同国初の体操女子のメダルを勝ち取った。銅メダルは57.199のアンゲリナ・メルニコワ(ロシア・オリンピック委員会)が手にした。

村上茉愛(24)は56.032で5位に入賞した。イギリスのジェシカ・ガディロヴァ(16)は53.965で10位、双子のジェニファーは53.533で13位だった。

24人が跳馬、段違い平行棒、平均台、ゆかの4種目の総合得点で競った。2016年リオデジャネイロ五輪で4冠の王者シモーン・バイルス(アメリカ)が棄権したことで、メダル争いは激しくなった。バイルスは会場でスタンドからチームメートを応援した。

リーは昨年足を骨折し、ゆかの演技への影響が危ぶまれた。しかし、13.700をただき出し、し烈な争いに決着をつけた。

アンドラデも2019年、それまでの4年間で3回目となる膝の大けがを負った。この日は途中まで首位だったが、最終種目のゆかでミスをし、リーに逆転を許した。

村上は平均台からスタート。1種目終えるごとに、10位、8位、6位と順位を上げた。

最後は予選で落下した段違い平行棒。この日は着地まで見事な演技を見せ、5位まで迫った。

村上は直後のテレビインタビューで、「失敗しても自分の責任なので思いっきりやろうと思った。団体で右ひじを痛め、昨日は試合に出るのもどうかという状態だったが、東京(五輪)のために体操をやってきて、諦めたくなかった。痛みがあって変な緊張がなくて、思い切って演技できた。やっと本来の自分の演技が出せたと思う」と話した。

また、「4種目やるのは今日が最後だと思うと、すごく楽しみながらできた」と語った。

順位

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