【東京五輪】 サッカー男子、日本がメキシコを破り2連勝 フランス初勝利

著者 安藤 美和

東京オリンピックのサッカー男子は25日、予選リーグ2節の8試合があった。グループAでは日本とメキシコが埼玉スタジアム2002(さいたま市)で対戦し、日本が2-1で勝った。

2連勝の日本は勝ち点6でグループAの首位に立った。負けたメキシコは1勝1敗の勝ち点3で2位に後退した。

試合はいきなり動いた。日本は開始6分、DF酒井宏樹のパスからMF堂安律が右サイドを抜けてグラウンダーのセンタリングを折り返すと、後方から走り込んだMF久保建英が左足でシュートを打ち先制ゴールを奪った。久保は初戦の南アフリカ戦に続く2試合連続の今大会2点目を決めた。

日本はさらに5分後に追加点を奪う。MF相馬勇紀がペナルティーエリア内でドリブルを仕掛け、メキシコのDFセサル・モンテスをかわしてクロスを送る。これは味方のシュートにつながらなかったが、ビデオ映像でプレーを検証するVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が相馬に対するモンテスのファウルを確認し、日本にペナルティーキックが与えられた。これを堂安が得意の左足でど真ん中に蹴り込んだ。

メキシコは、ボール保持者に素早く寄せる日本の守備に手を焼き、自慢のリズミカルなパス回しができない。それでも前半17分にはパスをつないでFWエンリ・マルティンがシュートを放った。同30分にもMFディエゴ・ライネスのドリブルから最後はMFセバスティアン・コルドバがシュートを打つが、これは枠を外れた。

メキシコは1人退場

後半は、2点を追うメキシコがボールを支配して攻勢を強めるが、集中して守る日本のゴールを破れない。後半4分のフリーキック(FK)、同6分過ぎの左サイドからの攻め、同9分のライネスのドリブル突破は、どれもシュートには帰結しない。

メキシコは後半23分、堂安を倒したDFホアン・バスケスがレッドカードを受けて退場し、1人少ない数的不利の状況に追い込まれる。

それでも後半40分、メキシコは敵陣の右奥で得たFKをFWロベルト・アルバラドが左足で直接ゴールに蹴り込み、1点差に詰め寄った。終了間際に今度は敵陣左サイドのFKからDFウラジミル・ロロニャがヘディングシュートを放つ。しかし、これはゴールキーパーのファインセーブに防がれた。

前々回のロンドン五輪の準決勝で負けたメキシコに雪辱を果たし、2連勝でグループAの首位に立った日本の森保一監督は、試合後のテレビインタビューで、「技術力を生かすためにも、一人一人が球際で戦って、局面(の戦い)で勝っていく。そして個(人)のがんばりをチームとして(の好プレーに)つなげる、いい守備からいい攻撃という意識で試合に臨んでくれた」と述べた。

2試合連続ゴールを決めた久保は、「相手はつなぎのところでミスが出るので、(そこでボールを)しっかり奪って前がかりに攻めればという話をしていた。(先制点は)狙いどおりの形だった」と話した。

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優勝候補のスペインが初勝利

グループAのもう1試合は、フランスが4-3で南アフリカを下して今大会初勝利を挙げた。フランスはオーバーエイジ枠で出場している35歳のFWアンドレ=ピエール・ジニャクが後半だけで3ゴールを奪ってハットトリックを達成した。ジニャクは今大会4ゴールとし得点ランキングのトップに立った。2連敗の南アフリカは予選敗退が決まった。

28日の最終戦では、日本はフランスと、メキシコは南アフリカと、予選突破をかけて対戦する。

グループBの2試合は茨城カシマスタジアム(茨城県鹿嶋市)であり、ホンジュラスが3-2でニュージーランドに勝ち、韓国が4-0でルーマニアに快勝した。この4チームはいずれも1勝1敗の勝ち点3で、得失点差で韓国が首位に立つ。

札幌ドーム(札幌市)であったグループCの2試合は、アルゼンチンが1-0でエジプトに勝ち、スペインも同じく1-0でオーストラリアに勝利した。初戦に引き分けた優勝候補のスペインは、年齢制限のないA代表のメンバーとして出場した先の欧州選手権でベスト4に貢献したFWミケル・オヤルサバルが、後半36分に決勝点となるゴールを決め、今大会初勝利を挙げた。1勝1分けの勝ち点4でスペインが首位。

横浜国際競技場(横浜市)でのグループDの2試合は、前回王者のブラジルとコートジボワールが0-0で引き分け、ドイツが3-2でサウジアラビアに勝った。2大会連続金メダルを狙うブラジルは前半13分、英プレミアリーグのアストン・ビラに在籍し、A代表にも名を連ねるMFドグラス・ルイスが相手を倒してレッドカードを受け退場。相手も試合終盤に退場者を出したが、最後までゴールを奪うことができなかった。ブラジルとコートジボワールはともに1勝1分けの勝ち点4で、ブラジルが得失点差で首位に立っている。

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