【東京五輪】 サッカー女子、日本は準々決勝敗退 イギリスも惜敗

著者 千葉 晃

東京オリンピックのサッカー女子は30日、準々決勝の4試合が各地であった。埼玉スタジアム2002でスウェーデンと対戦した日本は1-3で敗れ、準優勝した2012年ロンドン五輪以来のメダル獲得はならなかった。

日本は開始7分にスウェーデンのDFマグダレナ・エリクソンにヘディングシュートを決められ先制されたが、前半27分、FW田中美南が右サイドからのクロスにダイレクトで合わせて同点のネットを揺らし、1-1で前半を折り返した。

しかし、後半は予選リーグを3連勝で勝ち上がったスウェーデンが地力の差を見せつける。8分、スルーパスから左サイドを突破したFWスティナ・ブラクステニウスがニアサイド(自身に近いサイド)に鋭いシュートを突き刺して勝ち越すと、同23分には相手のハンドで得たペナルティーキック(PK)をMFコソバレ・アスラニが決め、日本を突き放した。

日本は後半25分、MF長谷川唯が右サイドからシュートを放つが、ゴールキーパー(GK)にキャッチされた。同26分、ゴール前での連携プレーからMF杉田妃和が放ったシュートは枠を外れ、点差を縮められないまま力尽きた。

白熱のシーソーゲーム

茨城カシマスタジアムであったイギリスとオーストラリアの試合は、二転三転する白熱のシーソーゲームとなり、延長戦の末にオーストラリアが4-3で勝った。

前半35分に先制したのはオーストラリア。しかし、イギリスがエースのエレン・ホワイトが後半に入って2ゴールを決め、2-1と逆転する。

オーストラリアは後半44分の土壇場でFWサム・カーが同点ゴールを奪い、延長戦へ。

延長戦で最初にチャンスをつかんだのはイギリス。延長前半11分にPKを得たが、MFキャロライン・ウィアのキックは相手のGKティーガン・マイカに止められた。

その2分後にオーストラリアが勝ち越す。FWメアリー・ファウラーがゴールを決めると、さらに延長後半1分にはカーがネットを揺らし、4-2とリードを広げた。

イギリスもあきらめない。延長後半10分にホワイトがハットトリックとなるゴールを奪って1点差に追い上げる。しかし、反撃もそこまで。あと1点が取れず、敗退した。

イギリスのヘゲ・リーセ監督は試合を振り返り、「いまはただショックだ。こんな負け方はつらい。しっかり準備をして、いいプレーができていた。チャンスも多く作った。ただ、しっかり決めなければならなかった。勝敗はチームで背負うもの。だれか一人が悪いわけではない。全員が十分ではなかった」と語った。

DFリア・ウィリアムソンは、「最後のホイッスルが鳴るまで勝負は終わらないということを学んだ。2-4になってからこのチームは本当の強さを見せた。だから追いつけると信じていた。それだけにつらい。まるで列車にはねられたような衝撃だ」と悔しさをにじませた。

「私たちは単にここに来て、オリンピック選手であることを祝いたかったわけではない。金がほしかった。勝ちたかった」

「ウィアは責められない」

元イギリス代表のGKレイチェル・ブラウン=フィニスさんは「BBC Raido 5 Live」で、「国際試合には勝負を決定づける瞬間がある。(オーストラリアのGK)マイカは2つのビッグセーブをやってのけ、ウィアはPKを外してしまった。胸が張り裂けそうだ。残念でならない」と語った。

元イングランド代表FWのスー・スミスさんは、「BBC One」で、「あのPKのミスで流れが変わった。でもウィアは責められない。今大会の彼女は素晴らしかった」と延長戦でPKを失敗したウィアを思いやった。

一方、宮城スタジアムでのカナダとブラジルの試合は、0-0まま延長戦でも決着がつかず勝負はPK戦に持ち込まれ、4-3でカナダが勝った。

横浜国際総合競技場のアメリカとオランダの一戦も、延長戦2-2からPK戦へともつれ込み、アメリカが4-2で勝った。

8月2日の準決勝は、茨城カシマスタジアムでアメリカとカナダ、横浜国際総合競技場でオーストラリアとスウェーデンが対戦する。

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