【東京パラ】 陸上の大矢が銀メダル 新種目ユニバーサルリレーは銅

著者 青木 淳子

東京パラリンピックは3日、オリンピックスタジアム(国立競技場)で陸上競技があり、男子100メートルT52の大矢勇気(39)が銀メダルを獲得した。新種目の400メートルユニバーサルリレーでは、日本チームが銅メダルを勝ち取った。

パラリンピック初出場の大矢は、100メートルT52(車いす)決勝に他の7選手と臨んだ。号砲とともにいい飛び出しを見せると、ぐんぐん加速。前半はレースをリードした。

中盤、大矢の左隣のレーンを走るレイモンド・マーティン(27、アメリカ)が大矢を捉え、一気に逆転。そのまま16秒99のタイムでフィニッシュし、金メダルを勝ち取った。マーティンは400メートルT52と1500メートルT52で銀メダルを獲得しており、今大会3個目のメダルとなった。

大矢は17秒18で2位でゴール。銅メダルはレオナルド・デヘスス・ペレス・フアレス(28、メキシコ)が手にした。

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日刊スポーツによると、大矢は中学3年生の時、脳腫瘍を発症。脳に高次機能障害を負った。定時制高校に通いながらビルの解体現場で働いていた翌年、22メートルの高さから転落。脊髄を損傷した。陸上は24歳で始めた。

レース後に大矢は、「いま自分が出せる力は発揮できたと思っています。ですが、マーティン選手に負けてしまったところは、少し悔しいところです」と述べた。

また、「10年前に亡くなった、車いす陸上のきっかけをつくった母親への恩返しに、金メダルを取ると約束した。メダルの色が違うのですが、それでも喜んでくれているんじゃないかと思っています」と話した。

繰り上がりで銅メダル獲得

パラリンピック初採用の4×100メートル・ユニバーサルリレーは、障害が異なる男女4人が100メートルずつ走り、タッチで次の選手につなぐ。日本は沢田優蘭(30、視覚障害)とガイドの塩川竜平、大島健吾(21、義足)、高松佑圭(28、脳性まひ)、鈴木朋樹(27、車いす)のチームで臨んだ。

日本は予選を全体4位で通過し、中国、アメリカ、イギリスと決勝進出を決めた。

決勝では次々とタッチをつないで、47秒98の4着でフィニッシュした。2着だった中国が失格となったため、繰り上がりで3位となり銅メダルを獲得した。

金メダルはアメリカ(45秒52)、銀メダルはイギリス(47秒50)だった。

銅メダルが決まった後、沢田は、「一瞬は4着ということで、悔しい涙もみんなあったんですけど、しっかりタッチをつかんだからこそのメダルだと思うのでうれしいです」と話した。

順位

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