北京冬季オリンピックは10日、フィギュアスケート男子のフリーがあり、ネイサン・チェン(22、アメリカ)が金メダルを獲得した。羽生結弦(27)は初の4回転半ジャンプに挑戦したが、失敗した。
チェンは18歳だった4年前の平昌大会で優勝候補だったが、極度の緊張でジャンプが乱れ5位に終わった。その時の傷を北京で完全に癒やした。
チェンは金メダルを決めると、「ものすごいことだ。本当にうれしい」と話した。
「今とんでもないことになっている。とても楽しかった」
銀メダルは鍵山優真(18)、銅メダルは宇野昌磨(24)が勝ち取った。
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羽生は4位
3連覇を狙った羽生は、8日のショートプログラムで、氷上の「穴」のためジャンプに失敗。前半8位に沈んでいた。
この日は挽回を期して、まだ誰も成功させていない4回転アクセル(体を4回転半させる)に挑んだ。だが、着氷に失敗して転倒。最終成績は4位だった。
日刊スポーツによると、羽生は演技後のインタビューで、「正直、全部出し切ったというのが正直な気持ちです。明らかに前の大会よりもいいアクセルを跳んでましたし『もうちょっとだったなあ』とかって思う気持ちもあるんですけど、あれが僕の全てかなって」と話した。
そして、「一生懸命頑張りました。正直、これ以上ないくらい頑張ったと思います」と続けた。
ショートプログラムで首位に立ったチェンはこの日、最大のライバルの羽生が2回転倒したのを見て、フリーの演技に臨んだ。金メダルのためにすべきことはわかっていた。
エルトン・ジョンの曲「ロケットマン」に合わせ、見事なジャンプを披露した。その演技は見ていて楽しく、技術的にも極上のものだった。
ショートプログラムとフリーの合計は332.60点を獲得。鍵山は310.05点、宇野は293.00点だった。
チェンは平昌大会以降、フィギュアスケート男子で圧倒的な強さを誇っている。世界選手権は3連覇しており、ついにオリンピックの金メダルを決めた。